拾う神がありますように。

 

 

 

01/4/18(水) am 発見と吐き気

就職活動を始めて、面接を受けるようになり、ひとつ気づいたことがある。それは、学校でやっている勉強が非常に就職活動の練習になっていたらしいということだ。

内容はともあれ、やっている作業自体はとても役に立つ。考えを文章にまとめて一定の方向を持たせるのはエントリーシートの対策になるし、授業でのプレゼンと質疑はもろに面接。発表前のストレス状態や発表中のハイな状態も自分の就職活動の予行演習だったんじゃないのっていうくらい似たような心理状態である。

ああーそうか、先生に厳しいツッコミを受けても頑張って答える練習をしていたのがこんな所で役に立つとは…と涙が出る思いである。毎回面接を受けながら卒業論文提出後の口頭試問や学会前の先生との打ち合わせなどを思い出している。大学行ってほんとよかった(間違っている気がするが)。

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今日は面接と学校の授業で何だか疲れてしまい、家ですぐに寝てしまった。3時間ほど眠ったのだが、悪夢を見て仕方なかった。

悪夢、といっても別に化物が出るとか、そういうのではない。化物が出たり架空の人物が出たり、幻想的な世界でめちゃくちゃなことをやる夢は特に悪夢ではない。それはいつもの夢だから。

自分がオスの小猿になって空を飛ぶ夢や、全然知らない少年と少女のせつないラブストーリーを神様的視点で見たり時々当事者の頭の中に入ったりする夢も見た。旧家の次男と結婚し未亡人になり、亡き夫の実家のお家騒動に巻き込まれる夢等も見たことがある。

私の夢は、実在の人物が誰一人出てこないこと(自分すら出てこないことも)、現実とかけ離れていること、そして構成がきっちりしているというのが鉄則なのだ。

ところが、今日見た夢は全く違う。ストーリーが無くて、しかも実在の人物が出てきた。同時に何枚も撮られたスナップショットをフラッシュして見るように、一人の人の姿が映った場面を、いくつもいくつも見た。

水色のストライプのシャツで、いくつもいくつも見て、起きてから懐かしいことに吐き気を催してびっくりした。ストーリーもないのに、内舘牧子ドラマテイストなドロドロの追いつめられた気分になって、いやもう大変だった。夢で胃を壊すのは間違っている。

 


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01/4/15(日) pm 私の圧迫面接対策

私は最近、タクシーに乗って面接対策をしている。何かの就職本に「初対面の100人と会え!!」と書いてあったので、100人と会えない私は地道にタクシーに乗ったときに運転手さんとしゃべって初対面の人としゃべる練習をしているのだ。

しかし、面接は何もスタンダードなものばかりではない。こないだ一次面接を受けた某社は、一次面接は親身で話しやすいが、二次面接の雰囲気が重いらしい。これはもしかして、圧迫面接かもしれない。

圧迫面接の練習は難しい。なぜなら私を否定しまくってくれる人なんて日常にはいないからである。

ということで、どうしようかなと思いながら今日は街を歩いていた。そうしたら、一人の茶髪の若い男性が私に声をかけてきた。

「あのー、美容室のアンケートなんですけどー…」

うーん、うさんくさい。キャッチ→どこかへ連れて行く→あることないこと言って揺さぶり→物を買わせる、という、お決まりの悪徳商法の手口が頭に浮かんだ。普段の私なら絶対に立ち止まらない。しかし、今日はあえてついていってみることにした。

途中で私に揺さぶりをかけてくれるんだから、それに対してキレずに、できる限り誠実な対応ができて、さらに自分を守れれば圧迫面接の対策にぴったりである。もし悪徳でない場合は(そんなことまずないだろうが)、美容室を一つ知るだけの話である。

ということで、私はキャッチについていってみた。行ったところはアーケード内のビルの5階。ビルの近くにスタイリッシュなショップがあって雰囲気的には美容室があってもおかしくない場所だが、店の看板すら出ていない。あやしい。

店と言われた場所に入ってみると、中は真っ白な壁にモダンなテーブルや椅子が数セットあり、テーブル毎に間仕切りされていた。ちょっと青山か表参道あたりのサロンのカウンセリングコーナーっぽい。しかし、ここからが怪しい。

本来美容室なら、実際に美容師がお客の髪を切ったりスタイリングをしたりしているところを見せるであろう。渋谷あたりの店が仙台に進出してきた、とキャッチのにーちゃんは言っていた。もし本当ならそこにいる美容師の腕はいいはずだ。見せない手はない。それがキャッチについてきても相当うさんくささを感じている私のような人間にとっては最高の信頼度アピールになるのだから。まともな経営者のやってるところなら、間違いなくそうするだろう。

しかしここは違う。椅子やテーブルのあるエリア以外、本来の営業が行われていそうな場所は見えない。白塗りの壁があって、奥の部屋への入り口があり、その中は見えない仕組み。うさんくさすぎる。よーし、これはやっぱり圧迫面接対策だな。

二客の椅子が置かれたテーブルセットの一つに通された。にーちゃんが最後まで応対するなら比較的圧迫の可能性は低めだ。このにーちゃんはぬるすぎる。逆に私が圧迫できそう。

と、アンケート用紙を書いている間ににーちゃんは退場し、代わりに白衣を着た太めの女性が現れた。デパートの化粧品売り場の人のようなフルメイクで、茶色の髪はウエット、きっちりまとめている。肌は張りがあって割ときれい、前髪は斜めにぴたーっとおでこにはりついていた。

異様だったのは、周りにまとっている横柄な雰囲気。「あたしは何でもしってんのよ」的な押しつけがましさが鼻についた。サービス業でしかもコンサルティングを行う立場なら、低姿勢でなければならないはずだ。美を扱う繊細な感性がなければ仮にも渋谷発の有名美容室にはいられないように思うが。だましっぷりがなんて中途半端なんだろう。私は失望した。だますなら本格的にだまして欲しいのに、こんな陳腐な女をつけないでほしい。

アンケートは私のライフスタイルと美容に関する意識調査のようなもの。電話番号や住所は書かせない。のっけから不信感を抱かせぬようにとりあえず二段構えで行くのだろう。私の書き込んだ内容を見ながら、フレンドリーな調子でしゃべっている(つもりの)女性。しかしダメだ。私には君の横柄さがわかってしまう。何だろう、その見下した態度は。

聞くと広告や宣伝を全くしていないんだという。3月にオープンしたてでキャッチするほど客がいないとにーちゃんは言っていたぞ。それなのにタウン情報に広告を載せることもナシ。そんなバカなことがあるか。これは完全に、何かの悪徳商法のようだ。

ひとしきり聞き取りをしたところで圧迫開始。一番私が気になっているところを中心に圧迫するらしい。私は健康面で、代謝が悪いだのサプリメントを取らないとだの、すでに分かり切ったことをかなりひどい言い方で言うので驚いた。

その上、肌が汚いだのそのままじゃやばいだの、女性の心を扱うコンサルティングとは思えないひどさ。これは弱い女の子ならひどく傷つくことだろう。脅しまくること20分。しかし、相手のどんな発言にも誠実な対応が大事というのが圧迫面接の基本。「そうですかー、気をつけます」などにこにこ応対しておく。

だんだん女性の意図が読めてきたように思った。化粧品は無添加が良い、だのの話になってきた。これは化粧品を売るか? 私は、時間が取られて深みにはまるのは嫌だなと思い、嘘をついてみた。「あと20分したら帰らなきゃいけないんで」……携帯電話がかかってきて誰かから帰宅を催促されたふりをしようかとも思ったが、電話の演技までは練習してないのでさすがにやめた。

すると今度は、女性は私を変な機材の前に連れて行った。あ、見たことある。黒いカーテンで仕切られ、その中に顔を入れるようになっている。顔に青紫の光を当て、シミ予備軍を見せて危機感をあおるつもりだろう。以前テレビでコギャルの顔がその機材でシミ予備軍が真っ黒にうつっていたのを思い出した。

私をその機材の中に入れると、女性は外側で私に向かって何やら話し続けていた。それがまるで新興宗教の洗脳トークのようで笑えた。

「この濃い紫色のしみ。これが2年後3年後に確実にシミになってくる。明るい紫色が垢ねー。ケアの仕方ひどいねー。ほとんどケアされてないみたいだから、この後肌はぼろぼろになるよ。ちゃんとケアしないとねー……(その他脅し文句の数々)」

今さら肌が汚いなどと言われたところで特にショックではない。そんなことは中学生の頃にさんざん傷ついて、そんなものにとらわれない生き方をしようという方向で10年生きちゃっているのだ。どんなに頑張っても元のいい人にかなうはずはないのだから、私は私の適性の高いところを延ばすことにしている。だからそういうレベルはもうとっくに乗り越えているし何を言われても平気である。もし改善を望んでも、こういう人のコンサルティングは受けたくない。

私はどうしようかなと思った。確かにシミ予備軍はあるようだが、あのコギャルの肌ほどひどくはない。たぶん大したことなくても大げさに言って脅すのだろう。脅しを続けているところを見ると一気に私を落とすつもりらしいが、これ以上深追いされるのも困るので、先手を打った。

「いや、でも美しさは年齢とともに確実に衰えるものですし、それは仕方ないことですよね。むしろ健康だとか、精神的なものだとか、見た目の美しさにとらわれないものを磨く方が大事だと思いますが」

見事な本音。完璧な美しい見た目が必要なのは、コンセプチュアルな仕事ができず、パフォーミングで稼ぐしかない人のみである。あるに越したことはないが、無ければ仕事に就けないわけでもない。

コシノジュンコのルックスはお世辞にもきれいじゃないし、RMKのRUMIKOの肌だってくすんでてかっていることが多い。美しいものを作る側の人間に必要なのは自分の美しさではなくて、美を作り出すだけの創造力とイマジネーションである。この人が自らの美に執着するのは結局、自分が自分の見た目を超えるだけのものを作り出す創造力がないからであろう。

そこまでは言わなかったが、とにかく上記の台詞を言ってみたら、さすがにまずいと思ったのだろうか、女性は私をおだて始めた。

「でも、あなた山口智子に似てるよね。それに痩せてる!」

路線変更か。マニュアルにでもあるのか、不自然な流れだ。私と山口智子というのもあんまりであろう。おだてるならもっと自然なものにして欲しい。軽くいなした。すると今度は、肌を見せる機械の所へ連れて行かれた。

荒れた肌をこれでもかと拡大して見せられた。そしてまた続く脅し文句の数々。

「ケアとか自分の肌の状態とか、自分でわかってるつもりかも知れないけど、あなたほんとに、このままじゃやばい!」

と、女性はとどめを刺したつもりのようだった。が、私はとりあえず、「ありがとうございます。以後気をつけます」と言ってみた。

すると、脈無しと思ったのか、この女性はあっさり私を解放してくれた。

「ほんとうに、ありがとうございました。今後参考にします」

と、にっこり笑ってその場所をあとにした。

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私にしては頑張ったと思う。今回は外見での否定の嵐だったが、これは慣れていると言えば慣れていて、あまりショックを受けないところがたまにきず。今度は、自分の学歴や能力などの否定を受けたいところだ。就職の圧迫面接対策にはまだ足りないかも知れない。

それにしてもあの女性は、私を脅すのにさぞ苦労したことだろう。最初のトークの中で「彼氏いるの? 欲しくないの?」と言われた。おそらく、「彼氏が欲しい」とか「彼氏がいます」と答えたら、男性にアピールする点できれいになろうよという方向に進めていくことも可能だったろう。しかし私はあろうことか「いませんし、いりません」と答えた。

「なんで?」
「今作っても、就職とか引っ越しとかになったらあとがめんどくさいんですよね。将来性がないじゃないですか」

ああ、こんなことを言う若い娘がどこにいよう。まあもしそこで「ほらでも、今後誰かが来るかも知れないし。そのためにもきれいになろうよ」などと言われたとしても、特に動じなかったとは思う。「私を好くような人はおそらく外見じゃなくてキャラ重視なんで、きれいでも汚くてもパーソナリティに影響がなければオッケーですから」と切り返していただろう。とりつく島がない。

今日わかったことは、あらゆる点から自分なりの解答を用意しておかないと、圧迫を受け止めることは難しそうだということだった。動じずに済んだのは、あらかじめ自分でも分かり切って対策を考え尽くしていた欠点を指摘されたからなのだから。そう思った私は、今後の面接のために業界研究と自己分析を深めることにした。

01/4/7(土) am はじめてのレイオフ

ウェブバイトのバイト先で、営業兼プログラマーの上司が急に東京へ出向することになった。数ヶ月こっちに帰ってこないらしい。

実質ウェブ制作の営業はこの上司がやっているので、今後ウェブの仕事がどのくらい入るかよくわからなくなってしまった。営業の方もあまりうまく行っていないらしく、今のところ新規の発注がないので私は一時バイト休止ということになった。アメリカ風に言うと、レイオフである。

半年くらい前から、新規の発注が無くなれば解雇だなと思っていたので別に驚きもない。社員の留守中にもウェブ制作部門は一応存続しているらしいので、新規の仕事がもし入ってくれば私が企画・デザイン・制作で呼ばれるらしい。

前に、ハリウッドでSFXデザイナーをしている上杉裕世の過去の経歴をテレビで見たときに、デザイナーの仕事をこなしていてもレイオフは容赦ないので個人でも仕事を取るようにした、という話を聞いた。

環境や技術レベルは雲泥の差だが、状況的には私もいつレイオフされるかわからないので、その番組を見てからは、何とか個人で仕事をとって現金収入と技術の保持を図ろうと思った。そしたら幸運にも私に仕事をくれるひとがいて、現在タイミング良く、個人で一件仕事をさせてもらっている。だからレイオフによるダメージは実質は無い予定である。

社員が出向する直前まで私たちが手がけていたサイトも今月末には公開されるということで、就職活動の履歴書に書けるURLがまた一つ増えた。デザインをマトモに学んだこともない私が手探りで作っているのでできあがりはまだまだだが、それでも少しずつ進歩はあるのでなるべく制作日時が新しいサイトのURLを書けるのは嬉しい。

それにしても、今回の上司の出向は、本来なら社長一人が行く予定だったらしい。それが、社長と上司二人の履歴書を出したら上司一人しか通らなかったんだそうである。そんなことでこの先どうなるのかちょっと心配である。

社長はいつもオフィスに留守がち。オフィスにいる正社員はこの上司一人で、社長以外、あとは契約社員の女性と私のふたり。電話応対もウェブ制作のヒアリングもこの上司一人でやっているような状態だったのに、それがぬけたらどうなることか。私も来なくなるので、契約社員の女性がかなりの部分をカバーすることになる。

この先、今まで制作したサイトやまだ公開していないサイトの修正の依頼などが入ってきたら、私が臨時で呼ばれるようである。

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とはいうものの、まあおそらくこれでこの会社ともお別れかな、という気がしているのだが、ここを使って履歴書に書くことが増えたのは非常に嬉しいし、感謝している。利用させてもらってほんとにありがとうございました。

こないだ東京のある総合印刷会社の説明会に行ったとき、履歴書の提出を求められた。私は履歴書に今まで作成したサイトのURLを書き添えた紙をくっつけて出した。そしたら先日電話が来て、来週の木曜日にいきなり東京で面接を受けることになった。ホームページの採用情報を見ると、例年の採用の流れとしては筆記試験や適性検査のあとで面接が3回あるということだったのだが、いきなり面接。

もしかすると結構すごいことなのかもしれないが、よくわからない。素直に、社員の人から直接電話をもらったのが嬉しかったけど。就職活動を始めて以来初の電話であった。

こんなことを言っているとつい期待しがちだが、大概面接でダメになるのが世の常。期待せずにどんどんエントリーを続けることとしよう。

 

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