| 長いこと日記が書けなかったのは、多忙のためと、コトバにしづらい話題ばかりだったからです。
---- 縁を切りたいのに切れずに苦しむ、というのが今年になってからずっと私のアタマの上を覆う黒雲だ。精一杯の努力をして切るべく突き進んでいるというのに、見えない何かの力が働くようなことが重なり、決して切れることがない。切らせてくれない。…そういうことがあるんだと実感している今日この頃。
最近はもうどうにもならないから、その人物の後ろの人物(守護霊)なるものがいるのなら、本人ではなく後ろの人に呼びかけるしかない、とすら思う。おそらく後ろの人がいろいろと奔走してこんなことになるにちがいない、と思うようなことも時折起こるからだ。
最もびっくりしたのが、情報機器系統のトラブル。携帯がおかしくなるとか…そんなもの、もはやヒトの力ではあり得ない。
「いやちょっと、ほんと頼みますよ! 何なんですか、何をしたいんですかあなたは。あなたもよくおわかりだと思いますが、これは私のせいではないですよ。一体何が原因でこんなことになるんですか。あなたの前の方が一番の原因で、あなたの意志が関係ないのだとしたら、あなたが判断して導いちゃってください。私が不必要だと思うなら、あなたの力ではっきり縁を切って下さいよ。そうじゃないなら、ちゃんと仕事してください、ちゃんと」
…と、相手の後ろに向かって念じてみたりすることすらある。
「相性は良いって程じゃないのに、縁が強すぎるわねえ。普通の縁の3倍だから…がんじがらめになっちゃったりするかもよ」
って、占い師も昔言っていた。こういうことか。Yes、ザッツがんじがらめ。
その他、いるような気がしながら行ってみたら本当にいたとか、わけのわからない偶然も重なるし、もう、処理不能に陥る。
かといって、無理矢理縁を切るべく外の要素を取り入れてみても、運悪く異物感に吐き気がするばかりでどうにもならない。
はたと気がつく。そうか、こういうことはレアケースなのだと。
でもレアだからと言って、どうしたらよいのだろうか。この「レアさ」をどう考えていいのか、どう扱っていいのか、右往左往しながら胃が痛くなり、ストレス解消に着飾ってみたりすると
「連打屋ちゃん今日はドレッシーだね。何だかどんどんトウキョウの女のヒトになっていくような気がしておじさんは心配でしょうがないよ」
…と、36の主任さんに悲しげに言われたりする。ああ、人にはこういうことが見えるものなのか。でも私、内面的には全然洗練されてないですけど。
はてさてどうしたものだろうと思いながら日々は過ぎる。異物への吐き気は止まらない。毒であっても飲んで平気なんだからそれはもう毒じゃないんじゃないかとか、わけの分からない混乱が頭を襲う。連日32、3℃は下らない、粘着質なこのトウキョウの真夏の空の下、思ってもみなかった混乱が頭を襲う。
---- 何で?? はあ?
を繰り返し、異物も飲んでみるかと思ったけどどうしてもだめで、気持ち悪くて死にそうだ。としたらこのレアな毒も、異物も、両方を遠ざけるしかないなあと思っていたある朝。
ふと目覚め、これより昔ひとしきり苦しんだ毒にもう一度対峙しなければいけないかもと思いたった。
そもそもこの悲しいループが起こり始めたのは7年前のその頃からで、その時にできたプロトタイプを私は繰り返しているだけなのだ。数年に1回、同種の毒が私の前に現れる。
としたらそこに立ち戻り、とりあえず毒の内実を見つめてみたらよいのではないだろうかという稚拙な思いつきだ。どうせ同じような構造を持った毒なのだ。色も状態も全然違うが、働き方は一緒だし、分子構造レベルで似通っている。としたらそのオールド毒の中身を見つめ直せば何か捉え直しもできるかもしれない。
ということで、オールド毒を向こう側にしてネタ振りし、しばし反応を見てみる。
オールド毒はあっけらかんとしたもので、昔私に与えた害などみじんも覚えていないようだった。毒が効きすぎて私がひどく痩せてしまったことも忘れ去り、私が変わったことに普通にびっくりしていた。
久しぶりに明快に感じた毒気に、なるほど私は毒につきまとわれる運命か、とやや悟る。こりゃあホントに立派な毒だ。やっぱり見つけにくいわけである。こすっからいトウキョウに生きていても、これほどの毒はやっぱりそうは見つからない。そういうことか。
ものごとにはそれなりの理由がある。これはこれなりに大変な毒だった。大毒。28になった今も動揺するんだから、そりゃ痩せる。コミュニケーションの相性が非常に悪く、居心地はいいもののとんでもなく不安な気持ちになる。そういう毒だから仕方ない。
オールド毒は結局、自分の本質をわかっていないみたいだった。まあだけど、久しぶりに毒気をはっきり味わってみて、この毒はやっぱり違うんだなという確信が持てたこと自体が収穫だった。別に、今さら相手に自分の罪を悟らせることが目的ではない。
とにかく、とりあえずここで7年越しのカルマを帳消しにし、この呪われたループを解かなければいけない。呪いの源に、なぜこれは呪いになっちゃうんですかと聞いてみる。
…我ながら、何やってるんだろうと思いながら…
---- オールド毒が目の前から消え、ふーむなるほどとため息をつく。やはり現物を目の前にするときれいに比較ができる。やっぱり私は変わっている。これは本当に相当な毒だった。
「お前はまともだろう。至極まっとうで、いたって普通だよ」
と、オールド毒は何の疑念もなく言い放った。それだけで十分ヘンな構造をしていることがわかる。
「おもしろがってますよね」 「いや、結構親身。俺、わかる気がするから」 (……お前も毒だからな……まあわかるよね)
向こう側からオールド毒が消えた後、身に覚えのある気持ち悪さが襲った。案の定。やっぱりこれを繰り返してたら激ヤセするのも無理ない。あのころの自分が可哀想だなとふと思う。
もろもろを全く認めないオールド毒に、なるほど毒とはこういうものなのねと納得する。
そしてもう一つのことを悟る。これは過去の繰り返しではない。もともとたぶん、ループではなかった。毒とオールド毒は、やっぱり違うものかもしれない。
とすればこの現在の行きつく先も、やっぱり違うのかも知れない。
たぶん、今呪いは解けた。
そこでここからどう進もうか。
「たぶんもう、準備運動は終わってるよ。お前はどうにでもできる場所にはいる」
と、言い切ってオールド毒は消えた。
ずっと昔から、嘘か本当かわからない、悪魔のアドバイス。私がいきなり現れた意味すら、わかっていて決して認めない。
悪魔は消えた。私はどうしよう。
---- 神様は私を嘲笑しているだろう。大笑いでどうぞ。
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