鋳物(いもの)ってなに?

雪の結晶のキャンディ入れ
雪の結晶のキャンディ入れ

「日曜鋳物師のページ」は、鋳物を中心に立体造形を趣味として楽しむページです。


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「鋳物」は、いものと読みます。...で、鋳物って?

鋳物は金属でできています。ほとんどの金属は、普通の気温(室温)では固体です。しかし、熱を加えると、氷が溶けて水になるように流動性を持った液体になります(*1)。この溶けた金属を、目的とする形のくぼみをもった鋳型(いがた)の中に流し込み、冷やして固めます。この操作を「鋳造(ちゅうぞう)」といいます。鋳造によって作られた形のある金属製品が鋳物です。

型と氷

実は、私たちはこれに似た事を日常生活でやっています。...氷作りです。

冷蔵庫で氷を作るとき、ちょっと変わった形の氷にしたかったら、どうすれば良いでしょうか?

そう、右の写真のように、作りたい形専用の型に水を入れて冷蔵庫で凍らせれば、それでOKですね。

これと同じようなものを水ではなく金属を使って作ったのが鋳物です。ただし、氷の場合は、固めるときに水を冷やす必要があるのに対して、金属でできている鋳物は、材料になる金属の塊などをいったん熱を加えて溶かす作業が必要になります。この作業を「溶解(ようかい)」といいます。
 また、固体が熱で溶けることを「溶融(ようゆう)」、液体が冷えて固まることを「凝固(ぎょうこ)」といいます。

さて、ここで問題です。
 有名なロダンの彫刻「考える人」と、マンホールのふた。共通点はなに?

考える人(拡大作)
ロダン 「考える人」
(国立西洋美術館前庭)

マンホール蓋の例
美しい雪文様のマンホール蓋
(札幌市大通公園)

答え。どちらも鋳物です。

「考える人」はブロンズという銅と錫(スズ)の合金(*2)でできています。この彫刻のような複雑な形を、金属の塊を削ったり、叩いてへこましたりして作るのは、かなり大変(というか無茶)です。そこで、登場するのが鋳造です。彫刻家は、はじめ粘土で作品を制作します。この粘土の形は、まず石膏に写し取られ、続いて鋳造によってブロンズ像となります。

マンホールのふたには模様があります。これは、靴が滑るのを防ぐ役割を持っています。また、マンホールの種類を識別するためのマークにもなっています。そればかりではありません。美しい模様、おもしろい模様など、見て楽しくなるようなものも、たくさん見られます。このマンホールのふたも、鋳造によって製造されます。だって、いろいろな模様のものを作ると言っても、それをいちいち削っていたら数がこなせないし、値段がべらぼうに高くなってしまいますから。

他には、小さな物では歯医者で作る金歯、また、大きな物では奈良の大仏も鋳物です。

それから、自動車のエンジンも鋳物だし、お湯を沸かす鉄瓶(てつびん)もそうだし、銀のアクセサリーなんかも鋳物製が多いですね。それから、それから......

街を歩くと、様々な鋳物製品に出会うことができます。「鋳物のある風景」では、街で見つけたお気に入りの鋳物や野外彫刻を紹介します。野外彫刻の中には、石材や木材など鋳物以外のものもありますが、これらと比較すると鋳物製の彫刻の特徴がよく分かります。

また、「日曜鋳物師エッセイ」でも、身近に見つかるかもしれない小さな鋳物たちを紹介します。
 ・「ベーゴマ−小さな鋳物たち−」
 ・「メタルフィギュア−小さな鋳物たち−」

そして、「日曜日のピュータークラフト」では、ピューターという合金を使った鋳物を制作しています。

また、「3DCG」では、風景(景観)や立体造形の三次元コンピュータ・グラフィックスを制作しています。鋳物作りと連携させることが目標です。(今は、「Terragen」による景観CGの習作を紹介しています。)

こんなふうに、ここは、鋳物を中心に立体造形を −見て・作って・語って− 楽しんでいるページです。


2003年9月13日更新
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