私の文字風景December 2004
思うこと、気づいたことなどを気ままに綴る落書き帳です。 


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  銀鏡(しろみ)神楽 - 12月14日 - 
写真;銀鏡(しろみ)神社12月14日、今日は年に一度の故郷の神楽祭りだ。ついに今年も行けずじまいだった。
きっと今頃、銀鏡神社の境内は村中の人が集い、賑わっていることだろう。片手に鈴を持ち、祭囃子にのって、右に左に身をひるがえす白装束の舞人が浮ぶ。

長い時を経た今、子どもの頃の祭りの宵が懐かしい。貧しい中、両親がその日に合わせて用意してくれた新しい服を着て、わずかばかりの小遣いを貰い、勇んで出かけたものだった。松明を灯した舞台で繰り広げられる舞の奉納は夜明けまで続き、そこに設けられた座の席で、大人に混じって朝まで過ごした気がする。

山間の師走の朝は冷え込んだ。凍えながら帰宅し、そのまま眠りにつくと、なぜか決まった夢にうなされて飛び起き、大泣きしたのだった。その度に、しっかりせんか!と父の平手が飛び、我に返った。今思えば、規則正しい生活を乱す寝不足からくるストレスのようなものだったのかもしれない。

それにしても、舞台の正面に供えられた猪の頭はとても不気味だった。祭りに合わせて仕留めた猪のお頭を奉納する風習は、昔の狩猟生活を伝える伝承だとか。 舞台を囲む境内は、お面や紙ふうせん、きれいなべっこう飴などの出店が並び、村人の雑踏でごった返していた。囃子の笛の音と、寒さと橙色の灯りがよみがえるとても懐かしい思い出だ。

今年の春、廃校を訪ねたついでに立ち寄った神社は、周りを竹林が囲み、静かな佇まいを見せていた。子どもの頃に大きく感じた祭りの場所は、大人になってみると案外こじんまりしているもののようだ。 穏やかな春風がそよぐ境内に立ち、今まで歩いてきた年月が陽炎のように通り過ぎる時間だった。

神社を少し下ったところにあった学舎は様変わりし、今は牛舎になっている。ともに学んだ同級生の幾人かは今日の祭りに合わせて帰郷し、郷土の祭祀を楽しんでいることだろう。 ふり返れば、数年間を過ごしたこの地が私の原点だったように思う。いつか遠くない日に皆で集い、懐かしい神楽の舞をともに楽しめたらと思う。

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銀鏡神楽のサイトが見つかりました。↓今宵はこちらのお囃子を聴きながら、故郷の祭りに思いをはせてみようと思います。
音で綴る日本各地の祭り&行事
慶應義塾大学 アジア基層文化研究会
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銀鏡神社(04.4.21 撮影) 下の各写真はクリックすると拡大されます。
写真:案内板 鳥居をくぐり、階段を上る 写真:もう少しで祭殿 写真:祭殿(右から) 写真:祭殿(左から)