使用と参加に関する覚え書き

           参加型Online西洋法制史辞典(羅和)
趣旨と参加方法については、独和辞典のガイド

 

TOPICS

はじめに ← まずどこをクリックすればいいか 

単語、術語の配列 ← JはIで、UはV? 

語形の変化 ← sをつければ複数形ってわけにはいかない 

引用先の文献 ← aからdまで4種類の引用元に分かれる 

邦訳の表記 ← やっぱりルビはつけておこう 

Online機能 ←あると便利な独和辞典との互換性(計画) 


 
 
 

はじめに


しくみ

羅和Online辞典も、しくみは独和Online辞典と同じである。画面がアルファベット(上枠)、辞典(右枠)、引用文献リスト(左枠)の3部分から構成され、上枠で任意のアルファベットをクリックすると、右枠の辞書がそのアルファベットの始まる行に飛ぶ。翻訳の右にある英数字をクリックすると、左枠の最上段に引用文献が表示される。

字引の例

たとえば、imperiumを調べたいときは、まず上枠アルファベットの I をクリック。 I ではじまる言葉が右枠に表示される。(ちなみに、この画面でクリックしても無駄である。辞典に行ってからクリックしよう。)
リストを下って行くと、次のような項目がある。

     imperium: 軍事指揮官 a19; 命令(支配) a18; インペリウム(帝権) c13

a19をクリックすると、左枠上に「19. K.W.ネル/村上淳一訳『ヨーロッパ法史入門』東大出版会1999年」と表示される。これが、「軍事指揮官」という訳を載せている文献である。行頭の数字は、辞典でクリックした英数字の数字部分に呼応している。同じように、a18c13をクリックすると、それぞれ引用文献が表示される。

収録語の
傾向

このOnline辞典に入っている語句には、偏りがある。管理人の備忘録がもとになっているからである。具体的には、中世・近世ドイツの国制史にかかわるラテン語が比較的多い。それに比べ、古典期のラテン語は手薄だし、同じ中世・近世でもドイツ以外で使われたラテン語はほとんど拾っていない。教会法や民法関係の概念も弱い。まだまだ未完成の辞典なのだ。言いかえれば、改良の余地はいくらでもある。

▲TOP

 
 

単語、術語の配列


IとJ、UとV

ラテン語の表記では、JとUの扱いが厄介である。昔のラテン語にはJもUもなく、それぞれIとVで書かれていた(例:法 ius, 使用権 vsvs)が、新しい本はIとJおよびUとVを併用し、発音によって使い分けていることが多い。
ここでも便宜上、[i]の母音(「イ」の音)を使う言葉にはIを(例: imperium)、[j]の音を使う言葉にはJをあてる(例: jus)。同じように、[u]の母音(「ウ」の音)を使う言葉には、Uを(例: usus)、[w]の音を使う言葉にはVをあてる(例: virtus)。 

IUS COMMUNE

ヨーロッパ法史家が最初に習うラテン語は、たいていiusだろう。法史学雑誌にも『IUS COMMUNE』というのがある。jusよりiusのほうに親しみがある人も多いと思う。今でもjを使っていない辞書だってある。が、上記のような方針をつくってしまったので、ここではjusを使う。
JUS COMMUNE…とほほ。 

現代表記への変換

死語であるラテン語に「現代表記」というのも変なハナシだが、現代の辞書に標準として載っている表記という意味である。上のiやv表記以外にも、昔の表記を使った単語が史料にはたくさんある。今なら辞書にtとあるところにcを使っている単語などがあるが、このような場合は気が付くかぎり現代表記を矢印で示した。  例: caucio → cautio 
単語の表記は、基本的に田中秀央編『羅和辞典 増訂新版』(研究社 1966年)に従った。

術語の配列

いくつかの単語からできている術語は、単語の順を変えずにそのまま表記する。 例: Codex Juris Bavarici Criminalis 

▲TOP

 
 

語形の変化


 
名詞の
複数形

複数形もよく使われる名詞には、見出し語のあとに複数形をカッコに入れて併記した。もしくは、複数形を見出し語として、単数形をカッコに入れた。
例: judex (pl. judices)  
    advocati (pl.) (← sg. advocatus)

辞書を引くとき、複数形と気がつかずに単語が見つからず、何度も泣かされた苦い経験をもつ人に捧げる。さっさと変化形を覚えたほうが早いという話もあるが、実際に管理人が何度も泣いたので。 

複数形の
術語

さらに、複数形で術語になっている場合は、複数形をそのまま独立の項目として表示し、見出し語のあとに(pl.)と記号を入れた。複数形が頻出する名詞の場合も然り。単数でもしばしば使われる場合は、見出し語のあとに単数形をカッコに入れて併記した。
例: iura quaesita (pl.) (← sg. ius quaesitum): 既得権 

動詞は
原形で

動詞は、原形で載せている。引用文献ではたいてい原形で引用されているので、混乱しないためにこれに倣う。(ふつう辞書は一人称単数の形を載せているが、ここではこの方式は取らない。)
例: plorare: 叫ぶ (一般に辞書ではploroと出ている。) 

▲TOP

 
 

引用先の文献


出典の表示

ここの部分の説明は独和辞典ガイドの繰返しになるが、個々の訳語がどのような時代や状況を想定して使われているかを把握するために、訳語に引用文献(出典)をつけた。訳語に続く英数字をクリックすると、左フレームの一番上の行に該当番号をつけた引用文献が表示される。
この引用文献のフレームでは、引用元の種類によって、A. 訳本、B. 辞典類、 C. 論文・単行本、D. 個人の4つのカテゴリーを設けた。訳語右の英数字は、このカテゴリー記号と、当該カテゴリー下の整理番号に対応している。(例: c15は、「C.論文・単行本」というカテゴリー下の15番目の文献を指す。
引用文献は、Online辞典開設時にはすべて出版年代順に並べられている。が、その後追加されていく文献については、出版年には関係なく、各カテゴリーの整理番号の一番後ろに順次加えていく。 
 

外国語辞典の使用

Online独和辞典ではなかった新しい試みとして、外国語の辞典も引用文献に入れた。ラテン語の邦訳辞典が極端に少ないことから、外国語の辞典にも頼ってみたくなったのがその理由である。外国語辞典を使った場合は、訳語の原語名をカギカッコで括って書いてある(例:英語訳は[eg]、ドイツ語訳は[dt] )。ドイツ語の場合は、なるべく和訳をつけて括弧に入れた。 
 

たまに引用文も

独和辞典と同じく、引用文献を表わす英数字の後ろに、さらにカッコして引用文や引用頁数が引いてあることがある。これは管理者の備忘録メモ時代の名残だが、訳語や概念の把握にとって役立つこともあろうかと思い、削除しないでおいてある。 
引用文献の補足説明を直接引用した時は、ページ数を示してカッコに入れた。
例: cooptatio: 自己補充権 c10 (→230頁。「全近代ヨーロッパにおける自律的団体Corporationの重要な要素の一つ」。)  

▲TOP

 
 

邦訳の表記


ルビのふり方

ドイツ語ほど頻繁ではないが、ラテン語の邦訳にも、ときどきルビが振られていることがある。原語の発音をカタカナに直したものが振られているのである。このような場合は、邦訳の後にカッコしてルビの部分を入れておいた。
例 → lex: 法(レークス)

発音ルビは何故つける?

ちなみに、独和辞典ガイドでも触れたが、訳語にわざわざルビを併記する必要があるのだろうか。ドイツ語の場合だと、一つの単語のなかの一要素のみにルビを振るワザ(例: 「Landrecht: 領邦法(ラント法)」)が見られるが、ラテン語の場合はこのような例は見たことがない。
しかし。 カタカナのルビを見れば、訳者が原語をどのように発音すべきだと考えているかは分かる。とくに時代も変れば発音に対する意識も変ってくる。そういう意味では、ルビは時代を映し出す記録だと言えるから、やはり併記しておこうと思う。  

旧漢字の表記

この辞典では比較的年代の古い文献も引用しているが、そうした場合の旧漢字は、原則として新字体に改めて表記している。

▲TOP

 
 

Onlineリンク機能


類語や対語への
リンク

類語や対語を、辞典のなかでリンクした。矢印の先の太字をクリックすると、辞典内にあるその言葉に飛んでいく。
例: dominium plenum: 完全所有権 [←→ quasi dominium]
複数形が独立した項目となっている場合や、現代表記を示す場合も然り。
例: ususcapio → usucapio  

独和辞典との
互換(計画)

独和と羅和で、Online辞典が二つできたからには、辞典と辞典の互換性を築き上げたいものだ。たとえば、ラテン語の見出し語に [独] のボタンをつけ、そこをクリックすれば独和辞典のなかで対応する項目に飛ぶ、というしかけがあれば便利だろう。

技術と労力の問題があるが、万一そんなことができるようになったときのために、Online独和辞典に載っている同義のドイツ語を併記するよう努めた。
例: conclusum imperii: 帝国決議 c7 [独 Reichsschluss]

同様に、英語やフランス語で同義語も載せていく方針である。 
備考:  実は立ち上げの時点で、一つだけ試験的にこのような仕掛けを作ってみた(どこにあるかはお楽しみ)。が、独和辞典に飛ぶまではまあよいとして、そこから引用文献へのリンクがどうもまだ思うようにできない。引用文献リストがフレームに修まってくれないのである。名案が生まれるまで、互換システム計画はちょっと一休み。 

▲TOP

 
 

おことわりとお願い

辞典を作ってからふと思い当たったのだが、管理者はラテン語初心者歴10年以上のツワモノであった。注意して入力しているつもりではあるが、無知ゆえに勘違いをしている個所があるかもしれない。
というわけで、間違いにはご一報いただければ、たいへん有難い。