![]() ![]() | カセットコンロとほうろうなべを使ってピューターを溶解し、焼成を終えた石膏鋳型に注ぎます。(このときの鋳型の温度は、70〜80℃程度が適当です。) ※ 今回は鋳型の焼成が不十分で、6個の鋳型の内3個については、ピューター鋳造後、湯が少し泡立ちました。鋳型内に水分が残っていたためです。 鋳物に引け巣ができないおまじないのつもりで、熱した耐火レンガで蓋をしてみました。(引け巣を防ぐためには、湯口の部分が最後に凝固するようにしてやります。今回の方法は気休めかも知れませんが...) |
![]() | ピューターが完全に凝固したら、鋳型ごと水を張ったバケツに入れます。鋳物の部分が十分冷えたところで鋳型を引き上げ、鋳物を取り出します。 脱蝋に時間を取られて、鋳造が終わったときには、外は暗くなっていました。 |
![]() ![]() ![]() ![]() |
鋳型から取り出して水洗いした後の鋳物の様子。子供達(小4〜中3)の作品です。 |
![]() ![]() ![]() ![]() |
完成品。左から、「ペンギン」、「ラッコ」、「カブトムシ」、「宇宙亀(古代人が考えた宇宙を背負う亀)」。 仕上げ作業では、まず金鋸で湯口や空気抜きの部分を切り離し、ヤスリ、リューター、スチールたわしなどで鋳物の表面を仕上げます。文字を彫った印の部分は、ガラス板の上に耐水研磨紙を敷いて、平らになるように磨きます。(このとき耐水研磨紙を水でぬらしながら研磨しましょう。) |
<手でこねて作った複雑な原型の形をそのままピューターに移し替えるにはどうしたらよいか? それも家庭で。>...この問いに対する最も現実的な回答が、今回取り組んだ「ロストワックス法」だと思います。そういったことから、趣味の鋳物作りを始めた当初から、「いずれロストワックスをやってみたい」と考えていました。
一方、子供達にとって今回の作業は、初の本格的な立体造形を伴う鋳物作りになります。また、湯口の切り離しに金鋸を使うなど、金属加工の体験という側面もあったのではないかと思います。
しかし、難しい問題が山積といった感じです。今回はなんとか作品作りには成功しましたが、まだ、現在のところ、満足できる方法を見つけたとは言えません。
最大の課題が、脱蝋と鋳型の焼成を短時間で確実に行う方法を見つけることです。また、焼成の容易な鋳型材を見つけることも重要でしょう。やはり、鋳型に水分が残っているのは問題です。これらについては、いくつかアイデアがあるので、次回試してみようと思っています。
また、今回は、湯口の部分が押湯(おしゆ)を兼ねているため、<どの程度の大きさの湯口をどの位置に付ければよいか?>ということに悩みました。もちろん、できるだけ大きな押湯を設け、押湯と製品部分との通路もできるだけ太くすることが望ましいのですが、それも限界があります。...まあ、これは鋳物作りには常について回る問題なので、趣味のレベルでは、とりあえず経験を積む他はないかも知れませんね。
なお、今回は印字のデザインに十分時間をかけることができませんでした。鋳造印を含めて、ハンコ作りに興味のある方は、以下のサイトが参考になると思います。
・ ARTハンコと篆刻・印ターネット
ペンギンにしようとしたけれど、モグラになってしまった。でも、気に入っている。かたからはずして、形がでてくるところがおもしろかった。また、金ぞくを作るのをやりたい。 (小4、四回目)
ちゃんとおせるはんこが、いがいと早くできておもしろかった。 (小6、四回目)
こまかい所がうまくいくか心配だったけれど、うまくいって良かった。みがくのが一番大変だった。今まで作った金属の作品の中で、一番気に入っている。 (中2、四回目)
時間がかかったけれど、上手くできて良かった。 (中3、四回目)